◎古老が語る、頑固一徹かめ壷造り。

 私、大正8年、素焼きの「かめ壷」と一緒にこの蔵に参りました「古老」でございます。始めてこの蔵に来た時、驚いたのは足元の土がシラスだったこと。そしてそのシラスの土の中に私と一心同体であるかめ壷が首まですっぽりと埋められていたのです。

私は感激しました。なぜなら、このシラスは火山の噴火で吹き出た、およそ2万5千年前のものだから。はるか太古の地球の土に抱かれた、年代もののかめ壷。そのかめ壷の懐で静かに抱かれ、醸されていく焼酎。なんとも壮大なロマンだと思いませんか?

 そこには人知を超えた神秘の力が働くのでしょうか。一次仕込みも二次仕込みも、熟成までもかめ壷でしっかり醸造された一滴からは、大地に根を張る大樹のような力強い第一印象と、草原を渡るそよ風のような後味が、口いっぱいに広がります。私「古老」は、その味わいを日々確かめるのが生きがいであり、楽しみでございました。

 歳月は流れ、原料の黄金千貫を納めにくるさつま芋農家や、毎朝かめ壷を覗く杜氏の顔は、少しずつ移りかってきました。ですが、私とかめ壷と、常圧蒸留・無濾過の伝統製法は、何一つ変わっておりません。頑固な古老が見守り続けた、かめ壷熟成無濾過「古老の語り」をぜひお試しくださいませ。


※創業以来変わらず首まで土に埋まったかめ壷には、固陋が宿っているような気がしております。私どもでもかめ壷の古老と語り合いながら、日本古来の心通い合う伝統製法で、うまさに感動ある本物の焼酎を造り続けたいと思っております。これをご縁にこれからもどうぞ末永くよろしくお願い申し上げます。



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